4-13-1 埋め込みフォーム
埋め込みフォームとは
埋め込みフォームとは、複数のフォームを1つのフォームにマージする機能です。この機能を利用することで、ヘッダー、ボディー、フッターなどのパーツごとに作成した帳票定義を1つの帳票にマージして出力できます。
1つの帳票をパーツごとに設計することが可能になるため、帳票の設計をチームで行うことができます。
また、会社名や住所、ロゴなど共通するデザイン部分を埋め込みフォームにすることで、フォームの保守性が向上します。
本項では埋め込み設定をするフォームを「親フォーム」、「親フォーム」に埋め込まれるフォームを「子フォーム」と表記します。

埋め込みフォーム概要図
埋め込みフォームの重なり順
埋め込みフォームにおけるアイテムの重なり順序は次のとおりです。
同種のアイテム、または同名の追加レイヤーに配置されているアイテムの場合は、親フォームに配置したアイテムが背面に、子フォームに配置したアイテムが前面に配置されます。
異種のアイテムで、かつベーシックモードのアイテムのみの場合は、矩形、直線、固定文字、フィールド、バーコード、イメージの順に前面に配置されます。
異種のアイテムで、かつグラフィックモードのアイテムを含む場合は、[システムレイヤー]を詳細表示した際に表示されるレイヤーの並び順、レイヤー1、レイヤー2、レイヤー3、...レイヤーnの順に前面へ配置されます。
順序 | 同種のアイテム/ 同名の追加レイヤー | 異種のアイテム | |
---|---|---|---|
ベーシックモード アイテムのみ | グラフィックモード アイテムを含む | ||
![]() | 親フォームに配置した アイテム | 矩形 | システムレイヤーを詳細表示した際に表示される レイヤーの並び順 |
子フォームに配置した アイテム | 直線 | レイヤー1 (追加レイヤー) | |
固定文字 | レイヤー2 (追加レイヤー) | ||
フィールド | レイヤー3 (追加レイヤー) | ||
バーコード | ... | ||
イメージ | レイヤーn (追加レイヤー) |
埋め込みフォームの設定
埋め込みフォームの設定方法について説明します。
左ツールバーの[参照設定]ボタン
をクリックします。
[参照設定]ウィンドウの[埋め込みフォーム]を選択し、[帳票定義へファイル追加]ボタン
をクリックします。
[埋め込みフォーム]を選択
[開く]ダイアログから子フォームの帳票定義を指定して、[OK]ボタンをクリックします。
[埋め込みフォーム]に子フォームが追加され、フォームエディター画面に子フォームが参照して表示されます。
制限
親フォームと子フォームに同名アイテムが存在する場合の動作は保証されません。
埋め込みフォームに追加できる帳票定義の数は最大10です。
フォームエディター画面に子フォームを参照して表示
[参照設定]で、追加された子フォームを選択します。
プロパティエディターで、追加された子フォームのプロパティの各種項目を設定します。
子フォームのプロパティを設定する
子フォームのプロパティ設定をします。

子フォームのプロパティ
項目 | 説明 |
---|---|
名前 | 子フォームのファイル名が入力されています。 変更することはできません。 |
印字開始位置X(dot) | 子フォームの開始位置のX座標を指定します。
|
印字開始位置Y(dot) | 子フォームの開始位置のY座標を指定します。
|
埋め込みフォームの表示/非表示
親フォームの編集中に子フォームの表示/非表示を切り替えることができます。
非表示にする場合は、[参照設定]ウィンドウの[埋め込みフォーム]から、非表示にする子フォームのチェックを外します。

子フォームのチェックを付けた状態(左)子フォームのチェックを外した状態(右)
注意
埋め込みフォームの表示/非表示は設計上の表示/非表示設定であり、出力上の表示/非表示設定ではありません。
埋め込みフォームの位置を変更する
子フォームは、マウス操作で位置を変更できます。
マウス操作で子フォームの位置を変更する手順は、次のとおりです。
[参照設定]で、位置を変更する子フォームをクリックします。
フォームエディター上に配置されている子フォームが選択状態となります。
選択した子フォームの領域上にマウスを移動します。
マウスカーソルの表示が
に変わった状態で、ガイドラインを参考に、目的の位置までドラッグします。
子フォームの位置が変更されます。
下図は、子フォーム「ChildForm2」の位置を変更する例です。
埋め込みフォームの重なり順を変更する
子フォームが複数ある場合は、それらのフォームの重なり順序を変更できます。
子フォームの重なり順序を変更する手順は、次のとおりです。
[参照設定]で、重なり順を変更する子フォームをクリックします。
[背面に移動]ボタン
または[前面に移動]ボタン
をクリックします。
子フォームの重なり順が変更されます。
下図は、背面にある子フォーム「ChildForm1」を前面に移動する例です。
注意事項
親フォームと子フォームの左上の原点が重なるようにマージされます。
子フォームに配置されているアイテムが、親フォームの印刷範囲を超えて配置されている場合は、印刷範囲に収まるアイテムだけ出力されます。
親フォームの印刷範囲を超えて配置されている場合
子フォームのデザインを親フォーム上で変更はできません。デザインを変更する場合は、子フォームの帳票定義を開いて変更します。
制限事項
埋め込みフォームを使用する場合は、次の制限事項があります。
親フォームに子フォームで登録しているフォント名がない場合は、そのフォントを指定している子フォーム側アイテムのフォントは、親フォーム側フォントリストの先頭フォントに変更されます。
親フォームに子フォームで登録している色がない場合は、その色を指定している子フォーム側アイテムの色は白に変更されます。
子フォームにある追加レイヤー名が親フォームにない場合は、そのレイヤーに配置されているアイテムは表示されません。
親フォームと子フォームで設定情報が異なる場合は、次の設定は親フォームの設定情報が有効になります。
レイヤーの表示/非表示設定
PDFレイヤー設定
用紙のプロパティ
フォント設定
カラーパレット
ページカラー
バーコードのエレメントサイズ
親フォームと子フォームで解像度が異なる場合、親フォームの解像度に合わせて出力されます。
親フォームと子フォームに同名アイテムが存在する場合の動作は保証されません。
親フォームと子フォームにそれぞれ連写が含まれている場合の動作は保証されません。
子フォームが設定されている親フォームは、子フォームとして参照できません。
サブフォームは、親様式と子様式で1つとなるように設計してください。親様式と子様式それぞれにサブフォームが含まれている場合の動作は保証されません。
繰り返し、サブフォーム、レコードは、親様式と子様式で併用しないでください。
子様式を、繰り返し、サブフォーム、レコードの中に含めないでください。
繰り返しは、親様式と子様式で1つとなるように設計してください。